石飛道子
『龍樹と、語れ! 『方便心論』の言語戦略』

二〇〇九年六月十日
定価:本体2300円(税別)
ISBN978-4-8046-1285-0
大法輪閣

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龍樹と、語れ! 『方便心論』の言語戦略【目次】 


はじめに
謎の一切智者 / 龍樹を探せ


第一章 龍樹、人生の船出をする


一 チャラカと龍樹の時代
カニシカ王と仏教 / カニシカ王の侍医チャラカ / 医師チャラカは出家する / 龍樹の生い立ち / 武術もできる龍樹 / 欲から出たまこと / 苦行のブッダに快楽の龍樹 / 龍樹の道は智慧の道 / 『チャラカ・サンヒター』 / 『スシュルタ・サンヒター』 / 毒の皿を捨てよ / 『チャラカ・サンヒター』の人生観 / 死んだらどうなる / 再生のしくみ / アートマン説と刹那滅 / 『チャラカ・サンヒター』の哲学思想 / 討論の伝統 / 「言い争う討論」とは / やり込める方法とは

二 ブッダと龍樹の対機説法
龍樹は対機説法をする / 論争するなとブッダは言った / 名声を捨てよとブッダは言った / 龍樹の「やり方の核心」 / 劇中劇も技のうち / プライドにつける薬 / 難題とはなんだい / ニヤーヤ学派の形成 / 捨てるものは何もない


第二章 龍樹、チャラカの「言い争う論法」に出会う


一 問答のはじまり チャラカと龍樹
『方便心論』とはどんな書か? / 『方便心論』は無我を説く 『方便心論』を解き明かせ たちまちチャラカの反論がくる / 龍樹は仏法を守る / 龍樹論法は棘の枝 / ヴァーツヤーヤナは名誉を守る / 利養も尊敬も名声もない

二 言い争う討論 チャラカの論法
チャラカの「言い争う討論」とは? / チャラカの五分作法 論証のかなめは「理由」と「実例」 

三 言い争わない部派の正法
マンゴーの実は食べ放題 / 部派の守るは「正法」なり / 涅槃の証明 

四 龍樹論法 プラサンガ
同じものと異なるもの / プラサンガ / 三支作法も「言い争う論法」 / 仏教が「言い争う論法」を説くわけ / ニヤーヤ学派の五分作法




第三章 龍樹、「言い争わない論法」を開く

一 龍樹論法の目的
諸論の門を開く / 戯論を断つ / 最高の定説(第一義悉檀) / 捨てる論法・否定することば / 雑草を取り去れ

二 龍樹論法入門
八種のことがら / 五分作法に対機して語ると / すべてに当てはまる喩え(具足喩) / 「喩え(喩)」 / 「執りたい通りのもの(隨所執)」 四種の定説(悉檀) / 最初同じで後が違うもの 

三 龍樹論法の基礎
一切智者の論法 / 一向論の喩えをもつ論証 / 分別論の喩えをもつ論証 / 詰論の喩をもつ論証 / 喩えを語るには 

四 龍樹論法の発展
完備した論証 / 詭弁か強弁かはたまた真理か / 自己ならざるもの(無我)の証明 / 否定するならそれはある / 大乗仏教の世界へ 

五 龍樹論法の消去
ブッダが法を捨てるとき / 龍樹が論法を捨てるとき / 捨てるが勝ち / 性格のちがいは論理のちがいへ / 龍樹論法は菩薩の道

第四章 龍樹、問答無用の語用論を説く


一 龍樹語用論 A to Z
入門――構文上の欠陥 / 基礎――これが、構文上の欠陥なんて! / 応用――揚げ足とり / 解析――どっちがどっち? / 公式――ことばにしたがって難ずるもの /批判――軍配はどっち / 検証――そんなはずじゃ / 確立――「新しい服」には新しい解釈を
 


二 「言い争わない」立場は、空
ニヤーヤ学派の語用論――言語の慣用 / よきライバルニヤーヤ学派 / 空と龍樹と『方便心論』


あとがき
 

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