石飛道子
『ブッダと龍樹の論理学』

二〇〇七年十月二十日
定価:本体3300円(税別)
ISBN978-4-901679-52-7
株式会社サンガ

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ブッダと龍樹の論理学 ─縁起と中道─【目次】 

はじめに


序論

    
ブッダ論理学の話から始めよう /ブッダ論理学は幸せのための論理学 /西洋と東洋のたがいの理解のために /ブッダ論理学が語りうるもの /事象の論理はブッダ、言語の論理は龍樹 /ブッダ論理学と龍樹 /正法としてのブッダ論理学



第一章 ブッダ論理学の基礎
     ─世俗諦の論理学 縁起・四聖諦─

一 ブッダのことばを解体する
一切智者としてのブッダと龍樹/西洋論理学の基本構造/真理表/西洋論理学の特徴:入れかえ可能の原則/西洋論理学の特徴:使用不能の真理表3/ブッダ論理学の基礎固め / はじめに言葉ありき/【単語】/【文】/語順を乱すな/西洋論理学のわな/【否定】 /否定はくせもの/西洋論理学の否定とブッダ論理学の否定/世俗諦と第一義諦/虚妄な法と虚妄ならざる法/二つの真理(二諦)と十二支縁起/正しからざる道/正しい道 /

二 ブッダの思考を分解する
【接続詞】/【世俗諦の接続詞】/【縁起「〜(する)とき」】/「ブッダの公式」を使ってみよう/「ブッダの公式」が適用される真理表 / これに縁ること(此縁性)/四聖諦と十二支縁起 /【真理表5】 / 「縁起」は相依相関関係にあらず/生因と了因/【真理表7】/相対的な言葉のあつかいについて/ブッダ的思考方法/【真理表2・真理表8・真理表10】/真理表の後半は仏教世界/【真理表9(苦・楽・苦でも楽でもない)】/ 真理表9は世俗諦/「虚妄な法」は世俗諦


第二章 ブッダ論理学の完成
     ─第一義諦の論理学 中道・四句分別─


一 龍樹の言葉を解析する
ブッダの論理世界/第一義諦の真理表/苦楽二辺の中道/【真理表15(中道)】/「中道」は出家独自の道 /世俗諦から第一義諦へ /言葉の上だけで考えると /世俗諦だけで考えると /かき氷はどこに行った /「虚妄な法」はしばしのもの /空性・仮説・中道 /四句分別 /マールンキヤプッタに与えた形而上学説 /四句分別は詭弁にあらず /【真理表16(四句分別)】/「貪欲を離れた者」はどうなるのか /論議の道も根絶やしにされた /聖者のレベル /『中論』における聖者のレベル/戯論(プラパンチャ)と空性 /ブッダの説く修行は二段階 /『中論』は何の書? /論争してはならない/論争しない論争



二 龍樹の思考を究明する
龍樹の決意と『中論』/『中論』の特徴/八不中道は形而上学説を否定する/ブッダが選んだ形而上学説 /輪廻と業 / 不滅不生/ 「中道」は「四句分別」へ/不断不常/常住論と断滅論の「中道」/不一不異 /その火はどこに行ったのか /不来不去/八不中道はなぜこの順序で語られたのか/ブッダの教えは無常・苦・無我 /仏弟子の悟りのために /無常・苦・空・無我は龍樹の説明 /空と空性 /空であるのは自己についてである /自性を欠くから空である /「存在論」は「執着」の立場 /空性を熟知せよ /如来を「無我」と見よ /厭離・離欲・止滅 /寂静・証智・正覚・涅槃 /去りつつあるものは去るのか /ブッダは「空」を用いたか /【真理表1(一切智者)】 /最後に






第三章龍樹を解読する

一 龍樹の著作について
龍樹研究は舵を失った船のごとく /龍樹入門は『中論』から /論法を語る空を語る /あらゆる人に語る /論法の書『方便心論』 /『方便心論』は『廻諍論』の虎の巻 /『廻諍論』は最高難度の論理学書 /六句論議(証明不可能性をめぐる問題) /『廻諍論』と『中論』の関係 /『無畏論』の一文 /ゲーデルを超えて /『中論』と『方便心論』の関係 /龍樹のとった対機説法 /思想書として見ると連作 /話題が減ると内容はむずかしくなる /いかなる動機で作品は作られたか


二 龍樹の言語論 
龍樹研究は、時に逆らうことなく /龍樹研究は、龍樹の説くがままに /「言失」とは? /「言失」と「言失」はちがうものである /ちがった意味をちがった言葉で言う /言葉の中身は意味上空っぽ /ちがった意味を同じ言葉で言う


第四章 龍樹を理解する

一 龍樹の伝記について
  龍樹作品のなかの龍樹像 /龍樹の生存年代 /龍樹の伝記 /因縁物語のもつ意味
二 龍樹の前半生 
出家まで /論師誕生 /龍樹の挫折 /龍樹の挑戦 /無生法忍の悟り

あとがき
 
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