ウパニサー(縁由)

今回は写真がありません。原始仏典の訳をあげておきますね。タイトルにあるように「ウパニサー」という題名の経典です。けっこう難しい経典だと思うんだけど、スマ長老の小冊子『真理の花束』の解説からアイディアをもらったところもあります。

『真理の花束』の第7章に「生きるとは『感覚』のこと」とあって副題が「一切皆苦と『無価値論』の教え 『Rahogatasuttaṃ(独坐経)』を読む」とあります。ここに「軽安(きょうあん)」ということばが出てきて、それを読んで思ったのです。

「無価値論」ということばにはひっかかるなあ、って。

上座部の仏教は「すべての感覚は苦である」を支持するだろう。ブッダの教えであるから。だけど、感受には、苦・楽・不苦不楽の三種あるとも言われる、この二つの文のちがいをどう考えたら良いのだろうという疑問をブッダにぶつける経典が「独坐経」です。

上座部は修行の中でも「苦」だけ使って「楽」を使わないのですが、ここを使うのが菩薩のやり方です。https://manikana.net/canon/upanisa.html

下の方に「信」を用いて「楽」に行くケースも説かれています。わたしは、どっちかって言うと、こっち系だったので、菩薩の道を歩むことになるんだなと思いました。龍樹も「歓喜地」だから、菩薩道系統になりますね。そこを説いたのが、『サンユッタニカーヤ』にある「ウパニサー」という経典です。

ここは従来のように、苦か楽かのどちらかを説いた、と考えるのではなく、どちらにも行くことができたと考える方が理にかなっているだろう。だから、声聞乗と菩薩乗と辟支仏乗の三つの味つけは、感受の3部門(苦・楽・不苦不楽)からきていると考えることができる。

「ウパニサー」の経典は、どちらかと言うと、外道の方から仏法に進んだ人の体験に基づいているのではないか、と思った次第です。

よくここまで深く考えられるなあと思った次第!煩悩がないって恐ろしいほどです。

コメント

  1.  春間 則廣  より:

    とりあえずは。経名だけ 挙げておきます

       「 金光明経 」

     あなたの訳では ( わたしにとって は )分からない

    • mani(管理人エム) より:

      春間さま おはようございます。

      思った通りの反応で、「金光明経」をあげていただいて感謝です。

      >あなたの訳では ( わたしにとって は )分からない.

      適当に自分に引きつけて読んでくださればOKです。
      感謝感謝!

  2.  春間 則廣  より:

    17あたりかな

  3.  春間 則廣  より:

    我今已能
    與此魚食令其飽滿。未來之世當施法食。
    復更思惟。曾聞過去空閑之處有一比丘。讀
    誦大乘方等經典。其經中説。若有衆生臨命 画像
    終時。得聞寶勝如來名號即生天上。我今
    當爲是十千魚解説甚深十二因縁。亦當
    稱説寶勝佛名。
    時閻浮提中有二種人。一
    者深信大乘方等。二者毀呰不生信樂。時
    長者子作是思惟。我今當入池水之中爲
    是諸魚説深妙法。思惟是已。即便入水作
    如是言。南無過去寶勝如來應供正遍知明
    行足善逝世間解無上士調御丈夫天人師佛
    世尊。寶勝如來本往昔時。行菩薩道作是
    誓願。若有衆生。於十方界臨命終時聞我 画像
    名者。當令是輩即命終已尋得上生三十
    三天。爾時流水復爲是魚。解説如是甚深
    妙法。所謂無明縁行。行縁識。識縁名色。名
    色縁六入。六入縁觸。觸縁受。受縁愛。愛縁
    取取縁有。有縁生。生縁老死憂悲苦6惱。
    善女天。爾時流水長者子及其二子。説是法
    已即共還家。是長者子復於後時。賓客聚會
    醉酒而臥。爾時其地卒大震動。時十千魚同
    日命終。7既命終已生忉利天。既生天已作 画像
    是思惟。我等以何善業因縁。得生於此忉
    利天中。復相謂言。我等先於閻浮提内。墮
    畜生中受於魚身。流水長者8子。與我等水
    及以飮食。復爲我等解説甚深十二因縁。
    并稱寶勝如來名號。以是因縁令我等輩
    得生此天是故我等今當往至長者子所
    報恩供養。爾時十千天子。從忉利天下閻
    浮提。至流水長者子大醫王家。時長者子在
    樓屋上露臥眠睡。是十千天子。以十千眞珠
    天妙瓔珞置其頭邊。復以十千置其足邊。 画像
    復以十千置右脇邊。復以十千置左脇邊。
    雨曼陀羅華摩訶曼陀羅華。積至于膝。9作
    種種天樂出妙音聲。閻浮提中。有睡眠者
    皆悉覺寤。流水長者子亦從睡寤。是十千天
    子。於上空中飛騰遊行。於天自在光王國
    内。處處皆雨天妙蓮華。是諸天子復至本
    處空澤池所復雨天華。便從此沒還忉利
    宮。隨意自在受天五欲。時閻浮提過是夜
    已。天自在光王。問諸大臣。10昨夜何縁。示現
    如是淨妙瑞相有大光明。大臣答言。大王 画像
    當知。忉利諸天於流水長者子家。雨四十
    千眞珠瓔珞及不可計曼陀羅華。王即告臣。
    卿可往至彼長者家善言誘喩喚令使來。
    大臣受勅即至其家。宣王教令喚是長者。
    是時長者尋至王所。王問長者。何縁示現
    如是瑞相。長者子言。我必定知是十千魚其
    命已終。時大王言。今可遣人審實是事。爾
    時流水。尋遣其子至彼池所。看是諸魚死
    活定實。爾時其子聞是語已。向於彼池既 画像
    至池已。見其池中多有摩訶曼陀羅華。積
    聚成𧂐。其中諸魚悉皆命終。見已即還白其
    父言。彼諸魚等悉已命終。爾時流水知是
    事已。復至王所作如是言。是十千魚悉皆
    命終。王聞是已心生歡喜。爾時世尊。告道
    場菩提樹神。善女天。欲知爾時流水長者
    子。今我身是。長子水空。今羅睺羅是。次子水
    藏。今阿難是。時十千魚者。今十千天子是。是
    故我今爲其授阿耨多羅三藐三菩提記。爾
    時樹神現半身者。今汝身是 画像
      *金光明經捨身品第十七

    • mani(管理人エム) より:

      流水長者のお話と、「縁由(ウパニサー)」とが繋がっているなんて、なかなかピンとこないかもしれませんが、檀波羅蜜の話として確かに関連しています。

      日本に伝わって、放生会などの行事として定着していったのを考えると、昔の人は真面目だったんだなあと思います。

      • mani(管理人) より:

        春間さま 実はわたしは流水長者の話はすぐに『スッタニパータ』とつながるのです。

        936. (第十五経第2偈)
        水の少ないところにいる魚のように、おびえ震えている人々を見た後、お互いに反目している者たちを見た後、わたしに恐怖が走りました。

        流水長者の気持ちが、手に取るような感じです。これらの魚は一斉に死んで天界に生まれ変わったというところもなんとなく理解できます。

        一昨年大量発生した札幌の雪虫たちも、今は天界で‘展開’してますかね。。

  4.  春間 則廣  より:

    ここの サンスクリット(岩本裕)訳 は

    仏教聖典選 第四巻 大乗経典二  256p あたりにあります