石飛道子
『ブッダ論理学五つの難問』

講談社、二〇〇五年七月十日
定価:本体1500円(税別)
ISBN4-06-258335-6



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ブッダ論理学五つの難問 目次

まえがき
なぜ「ブッダの論理学」なのか / 捨てられていた文献との運命的出会い / 智恵を使って真理に迫ろう
序論 論理の語り方
倫理を論理的に語るなら/ 倫理の中で論理を語るなら/ 知恵の戦い/ 論理を倫理であるかのように語るなら/ 論理はやはり論理的に語ろう/

第一章 現代論理学は一切を語れるわけではない
─一切を知る者であるとブッダが言ったこと─

一切知者を証明するには/ 現代論理学をおさらいしよう/ 命題論理学の接続詞について/ 「そして」という接続詞/ 龍樹、命題論理学を斬る/ 現代論理学は「時間」をうまく扱えない/ 「ならば」という接続詞/ やはり行き詰まる命題論理学/ それなら帰納論理学という手がある/ 論理的ではない帰納論理学/ 真理表にも穴がある/ まだ終わりじゃない/


第二章 ブッダ難問に答える

【難問1】なぜ西洋では因果を語ることができないのか
─生ずる性質のあるものは滅する性質である─

教師ブッダ、説法を始める/ 時間を語れ/ ブッダはなぜ臨終に願望法で語りえたのか/ スキのない語り/ 因果を語れ─「ブッダの公式」/ 老死の原因/ 因果関係の見つけ方/ 現代論理学で因果を語ると/ ブッダが示した可能性/ 論理学には存在論が不可欠/ 生ずる性質とは? 滅する性質とは?/ ブッダの語る文/

【難問2】ブッダはどのようにして一切を語るのか
─討論を通じてともに語るにふさわしい人は─

法を説くブッダ、雄弁に語る/ 龍樹、ブッダの弁証法を語る/ 一向論には分別論で/ 分別論には詰論で/ 練習問題と応用編/ 龍樹、ブッダの演繹論理学を語る/ 一向論の喩えによるもの/ 分別論の喩えによるもの/ 詰論の喩えによるもの/ 練習問題で「一切知者」へ/ 一息いれて『方便心論』のお話/ 『方便心論』は阿含経典の防護林/ 『方便心論』と『中論』の二本の矢/

【難問3】語りえぬものは沈黙せねばならないか
─ただ感受されたもの、渇愛にいたるもの、悩みもだえるだけのものである─

ブッダは形而上学説に黙して語らなかったか。/ 「語られないこと」という答え/ 再び生ずる性質のものは滅する性質であるということ/ いかにして存在論を語るか/ いまだかつて聞かれたことのない法/ 十二因縁説はむずかしい/ 心の中の因果行程/ 十二因縁説をめぐる諸説/ 「語られないもの」として大いに語れ/ 論理と倫理の出会うところ/




【難問4】因果の道を行くものは愚か者であってはならない
─自己を愛しく求めるものは他を害してはならない─

イラク戦争の大義/ 因果の理法を知れ/ 「愚か者よ」/ 生ずる道と滅する道/ 十二因縁の道筋/ 因果律を説く資格/ 「自己」を語る人々の特権意識/貧乏農家の知恵/ 因果を説く者と神を信ずる者と/ 自己を語る人々と自己を語らない人々と/ それから仏教で何が起こったか/ 現代科学も例外ではない/

【難問5】因果の理法にしたがう者には自己は語りえない
─「尊師よ、誰が識別作用という食べ物を食べるのですか。」
「正しい問いではない」と尊師は言った─

無我と非我/ 存在論と十二因縁説/ 「自己はない」は語りうるか/ 尊師よ、誰が食べるのですか/ 「自己ではない(非我)」はなぜ語りうるのか/ 認識論へ/ ブッダの形而上学的討論/ 「自己」という語はどこにもない/ 広がる言語世界とともに/開示された言語世界/ 阿含経典の成立について/ カテキズムの手法/ ブッダの言葉は完全に保存されている/ おわりに/ 最後にサービス/

インド哲学・仏教の一般書ならびに現代論理学関係書のご紹介

練習問題の解答

あとがき



索引

※『ブッダ論理学五つの難問』(p.185)に本サイト「マニカナ=ホームページ」をご紹介し、「方便心論」の和訳の閲覧可能としてありますが、『龍樹造「方便心論」の研究』が出ましたので、「方便心論」のコンテンツはホームページ上からは削除させていただきました。ご了承ください。

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