心にしみる原始仏典


『スッタニパータ』(『クッダカ・ニカーヤ』)(PTS Text,pp.58-59)

第2章 小なる章 11 ラーフラ経


335 (ブッダのことば)
「しばしば共に住んでいるということから、おまえは、賢者を軽蔑したりしてはいないかね。
人々のためにたいまつをかざす人を、おまえは尊敬しているのかい。」

336 (ラーフラの答え)
「わたしは、しばしば共に住んでいるということから、賢者を軽蔑したりすることはありません。
人々のためににたいまつをかざす人を、いつもわたしは尊敬しています。」


以上が、序の偈(詩)である。


337 「  喜ばしく心楽しい五種類の欲を捨てて、信のために家から出て出家して、
苦しみを終わりにするものとなりなさい。

338 善い友達と交わりなさい。
人里離れた遠くの静かな臥坐所をえて、食べ物の適量を知るものでありなさい。

339 衣と托鉢の食べ物と資具(必要な持ち物)と臥坐所について、―― これらについて、
渇愛を起こしてはならない。ふたたび、この世界に戻ってきてはならない。

340 戒条においてよく守り、五つの感覚器官を制して、身体について気づきがある、というように
していなさい。
熱心に厭離していなさい。

341 欲をともなう美しい姿形(ニミッタ)を避けなさい。
心を、善く一点に集中して、美しからざるものとして修めなさい。

342 無相(アニミッタ)を修めなさい。高慢という煩悩(随眠)を捨てなさい。
そうすれば、高慢を止滅して、心静寂な者として行じていけるだろう。  」


このように、実際、尊師は、ラーフラ尊者に、これらの詩によってしばしば訓戒をなしたのです。




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